益税と滞納

「益税問題」は、免税点制度・簡易課税制度・95%ルール制度の三つが挙げられる。「益税問題」に対しては、消費税導入以来、幾度に渡り改正を重ねて見直しがされてはいるが、依然として問題点は多く、消費税率を上げるにあたり、更なる精緻な法整備が必要である。

また、消費税は、他の税目と比べ、新規滞納発生割合が高い。国税庁HPによると、H28年における全税目の新規発生滞納額は、約2,332億円であるが、消費税の新規発生滞納額は1,261億円と集計されており、全税目の約半分の割合を占める。これは、事業者の消費税納付は年4回(中小事業者は年2回)であるため、消費税を預かっている期間が長く、そのために資金繰りに苦慮すると、運転資金に流用されるケースが多いことが原因であると考えられます。これに対しては申告納付回数を増やし、消費税が事業者の手元に滞留する期間を短くする必要性があります。因みにフランスやドイツでは毎月納付する仕組みになっている。

今後の消費税制度

今後の日本において消費税率を10パ-セント上げる際、逆進性の緩和策として、複数税率を導入する予定となっています。消費税の増税による格差拡大を防ぐためには、現段階において、他の制度による有効なものが諸外国においても実施されていないためです。

そして、これらの制度を担保するにあたっては納税者番号制度の導入が必須である。これは、複数税率を導入した場合、仕入税額控除を正確に計算するためには、納税者番号によって事業者を判別する必要があり、また、今後、給付制限付税額控除を導入するにしても、給付対象に対して所得制限を設定するためには、所得を把握しなければ、高所得者にも税額還付を行ってしまうことになるからです。納税者番号制度の導入にあたっては、新たに多大な事務経費がかかると予測されるが、消費税の問題点の議論とともに電子申告の促進等の納税環境の整備等も合わせて考える必要があります。