個人の確定申告の時期は、毎年2月16日から3月15日ですね。

気になり始めるのはおおよそ10月頃でしょうか?それとも年末が近づくころでしょうか。今年は肌寒い日が早くに感じる事もあり、確定申告の事が少しくらいは思い浮かんだ経営者様もいらっしゃるかもしれません。

しかし、何から手を付けて良いのかわからず、ネットで検索したり、書店で「青色申告」の本や「個人事業の誰でも簡単に確定申告」の本など購入したが、自分の得意な仕事である仕入や販売とは違い、なかなか身が入らないと言う事もあります。

帳簿のつけ方が難しいと感じる方は、市販されている青色申告用のソフトを探してみるのも良いかもしれません。とはいえ、何を基準に選び、何を選んだらご自身で帳簿作成し、申告まで出来るか悩みは尽きません。

以前、経理に関する事が全くわからないので、電話サポートもして下さる申告会のソフトをご利用された経営者さまのお話しを伺いました。

そのお話しによりますと、わからない事は電話で聞きながら、1/1~12/31までの入力をなんとかこなし、提出前の相談の予約をします(3月になると予約がいっぱいになってしまう為、早めの予約がお勧めです)。

いよいよ予約の日・・・受付を済ませ並び順番を待ちます。呼ばれたら通帳、請求書、領収書、契約書など全ての書類を持って係りの方とパソコンの前で確認をしますが、修正すべき箇所がたくさん出て来てしまいました。修正の説明を受けて会場の片隅で修正し、また順番を待ちます。

もう一度係りの方と確認しても、また修正があり、また順番を待ち・・・と戦々恐々とした一日を過ごす事になってしまい、とても大変な思いをされたそうです。

日々の帳簿をきちんと作成していればもっと楽に確定申告出来たのでしょうが・・・。

では、なぜ個人事業主は帳簿を作成しなければならないのか?

平成26年1月から事業所得等のすべての白色申告者に対し、記帳義務及び記録保存義務が課されました。

つまり、すべての事業者が、(簡易な)帳簿と領収書等の書類保存が必須になった為、これまで白色申告をしていた事業者の方も青色申告をすることのメリットの方が大きくなりました。

青色申告した方が税金対策にもお得だと言う事はご存知な方が多いでしょう。

青色申告のメリットは、
① 所得から最高65万円の特別控除がある。→所得税、住民税も安くなる!
② 要件を満たせば親族への支払給与を全額経費にする事が出来る。
赤字を3年間にわたって繰り越し、黒字の額を相殺出来る。

苦手意識のある帳簿作成にもメリットを探してみましょう。

帳簿作成のメリットは
①日々の金銭の出入りを把握することで、正確な売上や利益を把握

今年はたくさん売れていて、業務に追われ休む暇もなかったから、すごく儲かっただろう!
でも、いざ年末の決算をしてみると、予想以上に経費がかかっていてガックリすると言うケースもあります。決算で初めて損益・収支を集計するのではなく、日頃から現金で支払った領収書、預金から支払った請求書などから、経費をしっかり把握する事は健全な経営を継続していく為にも必要ですね。

②収支の傾向をつかんで、資金繰り管理や貸し倒れリスクを低下

請求書や納品書、売掛金(売上)や買掛金(仕入)を記帳することで、いつ、どこからいくら入金されるか、そして、いつまでに、どこへ、いくら支払うかを把握出来るようになると、資金繰りのシミュレ-ションが出来たり、支払いが遅れがちな顧客などを把握する事で、貸し倒れの危険性も低くなります。

③日々の商品の動きを把握

どの時期にどんな商品が売れているか、また売れ残っているかを把握し、適切に分析が出来ると売れる商品を適時適量に仕入れる事が可能となり、売れない商品の在庫を抱えてしまうといったリスクも減らし、売上増加につなげることができます。

融資を受ける際の金融機関に対する説得に活用

きちんと帳簿を作成していると、金融機関の信用も違います。
日々の帳簿を整理し、傾向と対策を適切に分析している経営者ならば、何のために融資が必要かということを説明出来るようになり、計画的な資金繰りを行っているので、返済についても遅れる懸念が少ないと金融機関から判断されます。

このように、今まで全て税理士にお任せしていた方でも、これからはご自身で把握して日々の帳簿を作成出来ますと、税理士報酬も安くなりますし、事業の傾向もわかるようになり、売上・利益アップにつながっていく事でしょう。

帳簿をつけるのはExcel?会計ソフト?クラウド会計?

Excelでフォーマットを作成するのが得意であれば、自分の会社の必要な項目や傾向と対策用に合わせた帳簿が出来ます。

ただし、減価償却の計算や決算・収支報告書の作成は帳簿とは別に必要です。

また、デ-タをきちんと保存したのか、USB等へのバックアップを毎回行ったかどうかなど保存管理の心配はつきものです。

会計ソフトではどうでしょう。

簿記の知識がなくても使えるように、数値を正確に入力すれば、決まった形式に振り分けしてくれて帳簿が完成出来、パソコンの会計データに自動保存出来るので、パソコンの故障や紛失をしない限り安心ですね。

さらにクラウド会計ソフトを取り扱う会社も増えて来ましたので、アカウントとログイン登録し、インターネット環境があれば、いつでも、どこでも入力する事が可能ですし、税理士との情報共有も出来ますね。

ちなみに青色申告用会計ソフトだけでも
〇MFクラウド確定申告 〇やよいの青色申告シリーズ 〇freee(フリー)
〇みんなの青色申告 〇Macの青色申告 〇やるぞ!青色申告などなど。

実際に利用されている方の話しを聞いたり、設定やご自身が利用される場合の利便性などを考慮し、ご自身にあったソフトを選択することがよいかと思います。

確定申告は、納税の為だけに計算するのではなく、帳簿を作成する事で損益・収支を客観的に把握し、事業の改善や節税の対策を打つとういう視点で行えば、事業の経営力を向上させることができるのではないでしょうか。

数値を適切に集計・入力する事でご自身の事業の傾向が見える化することで、経営戦略を立てることが出来るようになると思うと、少しわくわくしませんか?

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