従業員を採用するには、さまざまな手続きが必要です。法律で義務付けられた手続きもあります。
【労働条件の明示】
労働契約を結ぶ際（内定も含まれる）には、従業員に対して労働条件を明示しなければなりません。労働基準法では、従業員に明示しなければならない具体的な内容を定めています。賃金や労働時間など、採用される側からしてみれば特に気になるところなので、十分に説明をするように心がけましょう。
【就業規則の作成】
労働基準法では、10人以上の従業員を使用する事業所は就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署へ届け出る義務があると規定しています。10人の中には正社員だけではなく、パートタイマー等も含まれます。
【採用時の健康診断】
労働安全衛生法で、健康診断の実施を義務付けています。ただし、健康診断を受けてから3か月以内の採用の場合は、その診断書を提出してもらうことで代用できます。
【従業員からの提出書類】
会社側だけでなく、従業員から提出してもらう書類があります。採用後の各種手続きを迅速に行うためにも、会社独自で「採用時の提出書類の一覧表」などを作成しておくと便利です。
（例）身元保証書・年金手帳・住民税異動届・扶養控除等申告書・源泉徴収票・雇用保険被保険者証・住民税納付書（個人納付の場合）
新入社員入社時
- 社内規程に基づく書類（身分保証書・卒業証明書など）の提出を新入社員から受けたか
- 必要に応じ、年金手帳・住民税異動届・雇用保険被保険者証・源泉徴収票・住民税の納付書等を新入社員から入手したか
- 扶養控除等（異動）申告書の提出を新入社員から受けたか
- 労働条件等から新入社員が雇用保険や社会保険の対象となるかどうかの確認を行ったか
- 社会保険の法定帳簿である労働者名簿・出動簿・賃金台帳を作成したか
- 雇用保険被保険者資格取得屈を作成し、資格取得日の翌月10日までにハローワークへ提出したか
- 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得屈を作成し、資格取得日から5日以内に、年金事務所へ提出したか
- 被扶養者がいる場合、7の手続きと同時に資格取得日から5日以内に健康保険被扶養者（異動） 届も提出したか
- 配偶者が国民年金第3号被保険者の対象である場合、7の手続きと同時に、資格取得日から5日以内第3号被保険者関係届書も提出したか
- 各種手続終了後、新入社員に雇用保険被保険者証・健康保険交付
毎月給与計算時
給与締切日
- タイムカードの打ちもれ・二重打ちがないか
- もし1があれば、本人や上長などに正確な時刻を確認したか
- 個人別マスター台帳の今月分給与に関する変更点をチェックしたか
- 3の変更点がある場合は、給与マスターを変更したか
- タイムカードを締め、勤怠を集計したか
- 勤怠をもとに、給与計算をしたか
- 給与支払準備（銀行登録または現金仕分）をしたか
- 社会保険料の月額変更届を必要とする従業員はいるか
給与支払日
- 給与の支払が適正に行われているか
- 今月分の給与計算結果を源泉徴収簿へ記入したか
- 会保険料を納付（銀行引落し）が適正に行われているか
給与支払日の翌月10日
- 源泉所得税を納付したか
- 住民税を納付したか
